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DNAが描くオサムシ新地図・進化の新しい原理を探る

DNAが描くオサムシ新地図オサムシという昆虫のDNAを調べ、進化の歴史を探る研究が始まったのは、JT生命誌研究館が設立された1993年。世界中から集まったオサムシの分析結果をもとに系統樹を描くと、爆発的多様化の様子や、地球の歴史との関わりが見えてきました。成果の進め方も、従来のわく越えた新しいタイプの進化研究。オサムシの生態、採集方法、DNAの分析実験の様子を含め、研究プロジェクトの全貌を紹介します。

進化の新しい原理を探る生物の遺伝情報を担うゲノム(それぞれの生物の持つ1セットのDNA)には、生物の歴史と相互の関係が記録されている。そのゲノムを解析し、生き物の歴史と関係を読み取ろうという研究・・・生命誌を、オサムシという日本(世界)に広く分布している昆虫を対象に映像化した。

オサムシの写真中国人のDNA研究者蘇知慧を中心とするプロジェクトチームは、各地の昆虫研究家とともに日本各地に分布するオサムシの採集に向かった。オサムシは、飛ばない甲虫で、地方によって外観が異なり多様な種に分かれている。

DNAが描くオサムシ新地図オサムシは、カブトムシと同じ甲虫の仲間だが、後ばねがないので飛ぶことができず、行動範囲が狭い。非常に種類が多く、地域によって特徴があり、分類研究も進んでいる。JT生命誌研究館では、世界中からオサムシを集め、そのDNAを採集・分析し進化の系統樹を作成した。得られたDNAによる系統樹をこれまでの形態分類による系統樹と比較したところ、属・亜属レベルではほぼ一致したが、種・亜種ではかなり違う結果が出た。例えば、高知と長崎のヒメオサムシ、オオオサムシでは、形態分類によると形も大きさも違うのに、DNA分類では近縁になった。別の場所でまったく同じ形態の生物が登場するこの現象は、「平行放散進化」と名付けられている。

オサムシのDNAと分布世界のオサムシの大規模な分析からは、オサムシの仲間が約4000万年前に一斉放散といって急激に種が増えていることが分り、また日本固有種であるマイマイカブリの系統樹からは、進化の歴史が日本列島の生い立ちと深い関係にあることも分かった。

DNAの分析によって得られた結果は、オサムシの進化の様子を明らかにしただけでなく、生物進化全般の研究にとっても重要な知見を多数生み出したのである。

豊富なCGでDNA研究をわかりやすく解説。

ナレーター:石丸謙二郎

内閣総理大臣賞受賞

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